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はぐれ五右衛門

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はぐれ五右衛門はぐれ五右衛門
(はぐれごえもん)
鈴木輝一郎
(すずききいちろう)
[伝奇]
★★★★

鈴木輝一郎さんのホームページを見て、この本がものすごく読みたくなった。作家業を楽しみながら苦闘する、作者の姿が伝わってきて必見。作家で自力でこれだけのWebページを作っている人はいないんじゃないかな。

曽呂利新左衛門というと、小学生の頃、学習雑誌に書かれていた、エピソードを思い出す。確か何かの功を上げ、秀吉から、ほうびを聞かれて、まず、米一粒をいただきたい。そして、毎日その倍の米粒をもらいたい、ということを言った。最初、秀吉に欲がないなあと言われたが、米は2乗されていき、やがて蔵に入りきらない量になっていった。という学習教訓的な内容だった。ずっと気になっていたが、はじめてこの作品で大きく描かれた。

この本は、鈴木さんの他の著作と同様に「EYEマーク」が付けられ、視覚障害者等に配慮がなされている。総ルビになっていて、少年少女小説っぽい感じもする。でも、「梨地之陽根」とか「子安之陰核」とか、アダルトな秘宝が登場するが、だいじょうぶかな。福祉関係の人に対して。

物語●豊臣秀吉治下で朝鮮出兵直後の頃。手下の坂本小虎を連れたはぐれ素破(すっぱ)=フリーランスの忍者、伊賀名張の石川五右衛門は、京都所司代の前田玄以から仕事の依頼を受ける。玄以は、豊臣政権の重鎮浅野長吉の邸宅の座敷牢に囚われている。その仕事とは…。

目次■第一章 はぐれ素破/第二章 淀/第三章 梨地之陽根(なしじのようこん)/最終章 釜煎り/あとがき

装画:百鬼丸
装幀:中村美樹
時代:天正二十年(1592)六月
(双葉社・1900円・97/6/15第1刷・384P)
購入日:97/7/12
読破日:97/7/20

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