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竜馬がゆく 全八巻

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竜馬がゆく 全八巻竜馬がゆく 全八巻
(りょうまがゆく)
司馬遼太郎
(しばりょうたろう)
[幕末]
★★★★☆☆☆

時代小説のクラシックともいうべき名作で、今さら読んだのって云われそうで、面映ゆいが、初めて読んだ。紹介が少し長くなるが我慢してほしい。

正月のTBS系のドラマ(主演・上川隆也)を見て以来、「読まなきゃ」と思い続けて半年、ようやく読破する。だいたい、ドラマ化したものが面白ければ、原作が面白いのも当然!(逆は多いが…)。ただ、読んでいる途中で、お田鶴を演じた鶴田真由さん(名前が似ているのは偶然か)のイメージが何度も頭をよぎって少し困った。

57刷、53刷、50刷、49刷、49刷、45刷、44刷、46刷―第一巻から八巻までの増刷回数である。増刷回数が多いこともさることながら、巻数が進んでも、増刷回数が落ちないのが凄い。人気があるとともに、読む人を最後まで惹きつける面白い作品であるってことの証明だ。

日本人の竜馬好きの3割くらいは、司馬さんのおかげではないだろうか。有名人でこんな一点の曇りもない快男児も珍しい。そして、竜馬はもちろん、回天の偉業達成に向け行動する男たち、そして竜馬を支える女たちが輝いている。だから、この本が歴史小説の枠に収まらず、一種のビルドゥングロマンス(青春小説)でもあり、生き方のバイブルにもなるのだ。

土佐、江戸、長門、京、薩摩、大坂、長崎、福井―各巻の表紙を眺めていて気が付いたのだが、竜馬の行動力、機動力は超人的だ。馬や駕籠に加えて、新たに交通手段に風帆船、蒸気船が加わったとはいえ。

物語●薩長連合、大政奉還を一人でやった、幕末維新史上の偉人、坂本竜馬の劇的な生涯と、激動する同時代をひたむきに生き、死んでいった若者たちの群像を描く。あらすじは、以下の目次(各章の見出しの付け方がうまい、さすが元新聞記者)から、推測されたし。

目次■第一巻 門出の花/お田鶴さま/江戸へ/千葉道場/黒船来/朱行燈/二十歳/淫蕩/寅の大変/悪弥太郎/江戸の夕映え/安政諸流試合|第二巻 若者たち/旅と剣/京日記/風雲前夜/待宵月/頑固家老/萩へ/希望/土佐の風雲/脱藩|第三巻 追跡者/寺田屋騒動/流転/生麦事件/勝海舟/伯楽/嵐の前/海へ/京の春|第四巻 神戸海軍塾/物情騒然/東山三十六峰/京の政変/江戸の恋/惨風/片袖/元治元年|第五巻 防長二州/池田屋ノ変/流燈/変転/菊の枕/摂津神戸村/薩と長/元治の暮れ|第六巻 戦雲/薩摩行/希望/三都往来/秘密同盟/伏見寺田屋/霧島山/碧い海/海戦|第七巻 厳島/男ども/窮迫/清風亭/お慶/海援隊/弥太郎/いろは丸/中岡慎太郎/都大路/船中八策|第八巻 夕月夜/陸援隊/横笛丸/朱欒(ざぼん)の月/浦戸/草雲雀/近江路/あとがき集(あとがき一、あとがき二、あとがき三、あとがき四、あとがき五=単行本刊行時に全五巻だったため、あとがきが5つある)

カバー:竹内和重
時代:嘉永六年(1853)三月十七日
(文春文庫・各505円・75/6/25~75/9/25発行)
購入日:97/3/24
読破日:97/6/21

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