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木枯し紋次郎 一 赦免花は散った

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木枯し紋次郎 一 赦免花は散った木枯し紋次郎 一 赦免花は散った
(こがらしもんじろう1 しゃめんばなはちった)
笹沢左保
(ささざわさほ)
[股旅]
★★★★☆☆

「木枯し紋次郎」というと中村敦夫、「どこかでだれかが~」で始まる上條恒彦の歌、縞の合羽に三度笠っていう子どもの頃見た、TVのイメージが強い。食堂の帰りに爪楊枝を口にくわえるのも流行った。

渡世人で、「あっしにはかかわりあいのないことでござんす」という口癖でニヒルで暗い主人公だが、読んでみるとけっこういい奴である。共感も持てる。

でも何でみんなヤクザが好きなのかな。自分にないものへの憧れとか、対岸の火事って感じで楽しめるからなのかな。よくわからない、もうちょっと読んでみよう。

第3話の「湯煙に月は砕けた」が、船戸与一さんの冒険小説やマカロニウエスタンぽくて秀逸。

物語●三度笠に道中合羽、手甲脚絆。長脇差とトレードマークの長い楊枝。幼なじみの兄弟分、日野の左文治に裏切られ、島流しになった紋次郎が、三宅島から帰ってきて復讐に向かう…。

収録作品○「赦免花は散った」(幼なじみの身代わりに遠島になった紋次郎。信じていた幼なじみに裏切られ…) 「流れ舟は帰らず」(紋次郎は、信州小田井宿で、十五年前に家出した息子を捜す江戸の富商とその娘を、野盗の手から救う…) 「湯煙に月は砕けた」(暴れ馬に襲われた娘を助けて、膝のさらを割り、娘の故郷の伊豆の山間の湯治場でリハビリ中。…) 「童唄を雨に流せ」(甲州・鰍沢で産んだばかりの赤子を間引こうとした母親を助けるが…) 「水神祭に死を呼んだ」(三州街道を高価な杏仁を運ぶ老馬追いと薬種問屋の娘に護衛を頼まれるが…)

デザイン:亀海昌次
解説:縄田一男
時代:天保六年九月
(光文社文庫・485円・1997/01/20)
購入日:1997/3/27
読破日:1997/5/5

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『木枯し紋次郎 一 赦免花は散った』(笹沢左保・光文社文庫)