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風狂活法杖

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風狂活法杖風狂活法杖
(ふうきょうかっぽうじょう)
佐江衆一
(さえしゅういち)
[伝奇]
★★★☆☆

露木進之介は、父と姉を大奥のスキャンダルで亡くし、十七歳で刀を捨て、鎌倉の禅寺へ入った。建長寺の老師・西鏡禅師から杖術を習い、四十年の歳月を要して、対手の生命を奪わない活杖に開眼し、還俗して風来老人と称して、独り身の町人として生きることになった。―この主人公が、還暦の老人ながら、『剣客商売』の秋山小兵衛さんのように強いうえに洒脱でなかなか面白い。

純文学をずっと書いてきた作者の初めての時代小説ということで、徹底的にエンターテインメントに努める姿勢がうれしい。風来老人がいろいろな敵と杖を武器に戦う伝奇小説。敵役もユニークで面白い。

◆主な登場人物
風来老人:江戸の俳諧師。
長浜:大奥の中年寄
志乃:大奥の中臈で、水野忠邦の配下
ふみ:江ノ島の飯盛女
春夢楼主人:阿片党の首領
千葉周作:水戸藩師範役
徳川斉昭:水戸藩藩主
水野忠邦:老中首座
三五郎:「ほ」組の鳶で、風来老人と同じ長屋に住む

物語●風狂の旅に出た風来老人は、江ノ島参篭に向かう、三つ葉葵の将軍家御紋を付けた三丁の女駕籠の行列と、怪しい尾行者を見かけた…。
やがて、様子を探りに出た宿屋の飯盛女が風呂場で襲われ、風来老人は大きな陰謀に巻き込まれることになる…。

目次■風狂弁天変化/風狂花中の鶯/風狂影法師/風狂五月旅/風狂裏長屋/風狂淫乱図絵/風狂火焔陣/解説 縄田一男

カバーイラスト:西のぼる
カバーデザイン:池田雄一
解説:縄田一男
時代:弘化二年
舞台:江ノ島、鎌倉。那珂湊、牛堀宿。鳥越、江戸城大奥、中渋谷村。
(徳間文庫・552円・1998/03/15第1刷・349P)
購入日:98/03/04
読破日:98/06/02

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