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江戸狼奇談

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江戸狼奇談
江戸狼奇談
(えどおおかみきだん)
永井義男
[短編]
★★★☆

『算学奇人伝』で第六回開高健賞を受賞した作者の最初の文庫本。

永井さんの作品はどれも、軽快で読みやすい。また、歴史上の高名な人物が探偵役として活躍するのが特徴。

「夢酔続言」の勝小吉は、好んで取り上げるキャラクターの一人。文庫のための書き下ろしの「世田谷裁き」は、部屋住み時代の井伊直弼が登場するのが新鮮。短篇集のなかで異彩を放つ、「虎穴堂弥助」は、ぜひ長編バージョンを書いて欲しい。

物語●「江戸狼奇談」町医者・沢三伯のもとに、米搗き職人が、狼にやられたて怪我をしたと、飛び込んできた…。「夢酔続言」浅草花川戸の船問屋の若旦那が美人局にひっかかり困り切っている。そこで勝小吉に相談が持ち込まれた…。「深川旦那殺し」干鰯問屋の番頭が、安囲いしている妾のことで、岡っ引から声をかけられた…。「虎穴堂弥助」六年ぶりに男が帰ってきた。知り合いは皆懐かしさで顔をほころばせたものの、次の瞬間、明らかに眼に恐怖が走った…。「汚穢屋吟味帳」質屋に盗みが入り、三百両が盗まれ、庭に泥棒が垂れた糞が残されていた…。「世田谷裁き」二十歳の井伊鉄三郎は、検使の役人のひとりとして世田谷の農家で発生した変死事件にかかわることになった…。

目次■江戸狼奇談|夢酔続言|深川旦那殺し|虎穴堂弥助|汚穢屋吟味帳|世田谷裁き|解説 清原康正

カバーイラスト:百鬼丸
カバーデザイン:中原達治
解説:清原康正
時代:「江戸狼奇談」嘉永三年。「夢酔続言」文政十四年。「世田谷裁き」天保五年。
場所:「江戸狼奇談」青山百人町。「夢酔続言」本所入江町。「深川旦那殺し」深川佐賀町。「虎穴堂弥助」房州館山。「汚穢屋吟味帳」伊皿子台町、高輪牛町。「世田谷裁き」世田谷・新町。
(祥伝社・ノン・ポシェット・514円・98/09/20第1刷・283P)
購入日:98/09/13
読破日:98/10/04

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