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陸奥黄金街道 小説金売り吉次

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陸奥黄金街道 小説金売り吉次陸奥黄金街道 小説金売り吉次
(みちのくおうごんかいどう・しょうせつきんうりきちじ)
三好京三
(みよしきょうぞう)
[源平]
★★★★☆☆

1991年9月、新潮社から『吉次黄金街道』と刊行されたものを改題。奥州ものというと、高橋克彦さんや中津文彦さんの作品を思い出す。思い入れが深い分だけ東北出身の作家の作品の方が面白く感じてしまう。あとがきによると、三好さんは、金売り吉次の屋敷址と言われる場所の近くにある分校(岩手県胆沢郡衣川村)で、平泉は生まれ故郷の隣町だそうだ。

金売り吉次というと、漠然と義経の後援者の一人ぐらいの認識しかなかったが、この作品によって、血が通った、ひとりの時代を動かしたヒーローの一人という認識がもてた。俄然、この時代に対する関心が湧いてきた。

物語の中に巧みに組み込まれた、金売り吉次の伝説が面白かった。作者の手腕と労力に拍手を送りたい。

物語●金掘り長者の炭焼藤太の息子・吉次は、父から先祖伝来の伝説を聞いてから京へ出ることを熱望しつづけていた。やがて、平泉の御館秀衡のもとで武士を目指し、擬戦に明け暮れ、力で若い雑兵たちの頭になり吉次軍団をつくり、元服した。そして、ついに平泉政庁の顧問・藤原基成の命を受けて、吉次軍団は京へ旅立った…。

目次■第一章 いじめっ子/第二章 金の窟/第三章 家出/第四章 吉次信高/第五章 吉次軍団/第六章 常盤御前/第七章 清盛公対面/第八章 父の死/第九章 館の夜/第十章 柳之御所/第十一章 橘次郎末春/第十二章 三条吉次屋敷/第十三章 鎮守府将軍/第十四章 五条の稚児/第十五章 女の賭け/第十六章 遮那王東下り/第十七章 ポンペツ・コタン/第十八章 砂金と女/第十九章 南宋の夜/第二十章 炎上のあと/第二十一章 預掠奪/第二十二章 曲水の宴/第二十三章 つむじ風/第二十四章 金の華/第二十五章 三好金/参考図書・取材協力/あとがき/解説 中津文彦

カバー装画・装丁:西のぼる
解説:中津文彦
時代:久寿三年(1156)
場所:陸奥国栗原郡金成邑畑郷、平泉、白河の治田宿、京・三条、印旛沼ほか。
(学陽書房人物文庫・700円・99/05/20第1刷・417P)
購入日:99/05/22
読破日:00/06/01

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