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妖怪犯科帳 鳥居甲斐守忠耀事件控

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妖怪犯科帳 鳥居甲斐守忠耀事件控
妖怪犯科帳 鳥居甲斐守忠耀事件控
(ようかいはんかちょう とりいかいのかみただてるじけんひかえ)
宮城賢秀
(みやぎけんしゅう)
[ピカレスク])
★★★★

松本清張さんの『天保図録』を読んで以来、気になっていた江戸を代表するスーパーヒール(悪役)、「妖怪」こと鳥居甲斐守忠耀が主役の時代小説らしいということで、手にした。

宮城賢秀さんの作品は、これが初めて。今まで読まず嫌いのところがあったが、これは面白かった。収穫だ。時代小説のもつエンターテインメントの要素―捕物、政治抗争もの、忍び、盗賊もの、剣法もの、ちょっとHなところも―が、少しずつ詰まっている幕の内弁当的作品。

あとがきによると、俳優の中村嘉葎雄さんを思い浮かべて、新しい鳥居耀蔵の人物像を組み立てたそうだ。また、タイトルは、池波さんの「鬼平犯科帳」にあやかりたくてつけたとのこと。今後もシリーズ化されるとのことで、続編が楽しみだ。

「さんぴん」という町人が武士を侮蔑するときに使う言葉があるが、もともとは、年間、三両一分ぐらいで雇え、口入れ屋に頼めばいつでもやってくる渡徒士のことを指しているらしい。

物語●目付鳥居耀蔵の家来・明智惣五郎は、三十歳で小野派一刀流皆伝の腕前である。麹町七丁目で、渡徒士・伊東忠太に斬られかかった、岡っ引き仁助を助ける…。その夜、小間物諸色問屋〔上州屋〕に盗賊が入る…。

目次■麹町出火/鳥居耀蔵/探索の旅/女犯の寺/向島の翁/張り込み/待ち伏せ/居合比べ/忍び狩り/将軍拝謁/あとがき

カバーイラスト・カバーデザイン:宇野亜喜良
時代:天保九年(1838)閏四月
(徳間文庫・552円・97/6/15発行)
購入日:97/6/9
読破日:97/6/14

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