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奥羽の二人

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奥羽の二人奥羽の二人
(おううのふたり)
松本清張
(まつもとせいちょう)
[短編]
★★★★

通勤読書用に、薄めの短篇集が欲しくて、松本清張作品に目が留まる。松本清張さんというと、社会派推理小説のイメージが強く、なかなか作品を読む機会がなかった。本書の巻末の年譜をみると、初期の頃は、むしろ時代小説(歴史小説)を中心に書いていたのがわかった。

今まで描かれることが少なかった、日向の戦国大名・伊東義祐の話(「三位入道」)が新鮮。そのほかでは、秀吉の許に奔った家康の重臣・石川数正の話や最上義光を襲った悲劇など、興味深いエピソードが綴られている。殉死をテーマ(古田騒動)にした「脱出」、賄賂を扱った「葛」など、松本さんの史観が表出されている。

今後は積極的に松本さんの歴史ものを読んでいきたいと思う。

物語●安国寺恵瓊(「背伸び」)、伊東義祐(「三位入道」)、細川幽斎(「細川幽斎」)、伊達政宗と蒲生氏郷(「奥羽の二人」)、石川数正(「群疑」)、太閤秀吉(「英雄愚心」)、福島正則(「転変」)、最上義光(「武将不信」)らの戦国武将を描いた8篇の短編と江戸初期の大名家を舞台にした短編2篇を収録。

目次■背伸び|三位入道|細川幽斎|奥羽の二人|群疑|英雄愚心|転変|武将不信|脱出|葛|年譜

カバー装画:倉橋三郎
時代:「背伸び」元亀二年。「三位入道」元亀三年。「細川幽斎」天文十五年。「奥羽の二人」天正十八年。「群疑」天正十一年。「英雄愚心」文禄四年。「転変」慶長五年。「武将不信」天正十八年。「脱出」正保三年。「葛」宝永年間
(講談社文庫・495円・86/11/15第1刷・99/07/30第22刷・259P)
購入日:01/01/06
読破日:01/01/17

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