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帝都奇譚 紅蓮の密偵

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帝都奇譚 紅蓮の密偵
帝都奇譚 紅蓮の密偵
(ていときたん・ぐれんのみってい)
楠木誠一郎
(くすのきせいいちろう)
[明治]
★★★☆☆☆

宮武外骨と聞くと、数年前にちょっとしたブームがあったので、名前だけは知っていた。トマソンの赤瀬川原平さんとかが仕掛け人になっていたので、変な文化人というイメージをもっていたが、探偵役としては、魅力的なキャラクターだ。

維新の元勲を除くと、明治の人は、よく知らないだけに、新鮮。しかも、当時の電気や保険に関する事情もわかり、興味深い。作家の井沢元彦さんが絶賛した理由もわかる気がする。

◆主な登場人物宮武外骨:「頓智協会雑誌」の発行人
琴音:新吉原小林楼の娼妓
前田伝:監獄石川島分署分署長
伊藤痴遊:政治講談師
小山六之助:痴遊の書生。上州の県会議員の息子
高野善次:帝都電燈会社渉外担当部長
黒岩涙香:「都新聞」主筆
曽我部市太:「都新聞」記者
斎藤緑雨:「国会新聞」記者で小説家
岸田吟香:銀座の薬局楽善堂主人。元「東京日日新聞」主筆
星亨:立憲自由党の政治家
黒岩幸造:「東京朝日新聞」記者で、星亨の弟子

物語●明治二十四年、第一回帝国議会開会の前日、帝国議事堂が焼失した。事件の原因は?
宮武外骨は、帝国憲法が発布された直後の明治二十二年に、「頓智協会雑誌」で、これをパロった「大日本頓智研法」を載せたことが、不敬罪にあたるとして、石川島監獄に送られていた。
その外骨に、帝国議事堂焼失の謎を解明するように、監獄の前田伝署長に命じられる。しかも与えられた猶予は1週間だった…。

目次■プロローグ 帝国議事堂焼失せり/一章 外骨出獄せり/二章 外骨始動せり/三章 外骨号泣せり/四章 外骨苦悶せり/五章 外骨憤慨せり/六章 外骨覚醒せり/七章 外骨遭遇せり/八章 外骨解決せり/エピローグ 天に代わって誅せり

写真協力:憲政記念館、毎日新聞社
装幀:中原達治
時代:明治二十四年一月
場所:石川島、元数奇屋町、青山北町、相生町、三ノ輪町、内幸町、銀座
(ノン・ノベル・829円・98/07/20第1刷・264P)
購入日:98/07/31
読破日:98/08/05

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