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美食探偵

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美食探偵美食探偵
(びしょくたんてい)
火坂雅志
(ひさかまさし)

[明治]
★★★★☆

レックス・スタウトの美食家探偵ネロ・ウルフ・シリーズを想起させるタイトルににやり。時代小説作家の新境地に期待大。 主人公の村井弦斎は、明治に活躍した実在の小説家で、作中でも紹介される『食道楽(しょくどうらく)』でベストセラー作家になっているという。読み進めると、ネロ・ウルフよりもシャーロック・ホームズに近い探偵ぶりを見せてくれて楽しい。ワトソン役の医学助手山田文彦とのコンビぶりもいい。

明治を代表するリゾート地・大磯という、ハイカラな土地を舞台に選んだことも成功の一因か。次シリーズが楽しみな作品。

物語●「海から来た女」大磯の海水浴旅館の祷龍館を訪れた村井弦斎は、女の幽霊の話を聞く…。「薄荷屋敷」横浜の牛鍋屋で弦斎と山田文彦は、人気女形役者の変死に立ち会う…。「消えた大隈」弦斎は尾崎多嘉子から大隈重信の失踪事件について相談される…。「冬の鶉」弦斎は、明治政府初代陸軍軍医総監だった松本順より、新選組の永倉新八の甥留吉を紹介される。留吉が話す奇妙な事件とは…。「滄浪閣異聞」家業の牛乳搾取販売を手伝う松吉少年は、鴫立沢で、女性の死体を見つける…。

目次■海から来た女/薄荷屋敷/消えた大隈/冬の鶉/滄浪閣異聞|あとがき|解説 長谷部史親

カバーデザイン:南伸坊
解説:長谷部史親
時代:明治三十一年三月
場所:大磯、横浜、早稲田、築地、三田四国町ほか
(講談社文庫・695円・03/08/15第1刷・334P)
購入日:03/08/09
読破日:03/08/14

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