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妖怪

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妖怪
妖怪
(ようかい)
平岩弓枝
(ひらいわゆみえ)
[武家]
★★★★☆☆

へそ曲がりのせいか、歴史上の人物を世評通りに見ないようになってしまった。田沼意次や吉良上野介、徳川綱吉などは評価を変えてつつある。そんな中で、鳥居甲斐守忠耀だけは、悪役に描かれていない作品を見つけるのは難しかった。

平岩さんが鳥居忠耀を描くというのは、意外な感じもするが、「かわせみ」や「はやぶさ新八」などの捕物帳の取材を通じて、いろいろな資料を読まれたのであろう。とても中身の濃い作品で、新しい鳥居像が確立できたように思う。
失脚後の鳥居の姿が感動ものだ。

物語●水野忠邦の懐刀として天保の改革に辣腕を揮い、世人の怨嗟の的となった能吏の悲劇の生涯を描く。鳥居甲斐守忠耀は、本当に悪人だったのか…。

目次■なし

装画:松本高明「トマト」
装丁:坂田政則
時代:天保十四年
場所:西丸下、数寄屋橋、八代洲河岸、市ヶ谷山伏町、石浜。下谷新屋敷表門通
(文藝春秋・1,619円・99/01/10第1刷・448P)
購入日:99/01/09
読破日:99/02/06

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