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土龍

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土龍

(もぐら)

出久根達郎

(でくねたつろう)
[伝奇]
★★★☆☆☆

<南さんの装幀が粋。品川のお台場普請を舞台にした、時代サスペンス。お台場というと、今ではすっかりアミューズメントスポットとなっているが、ほんの150年前は江戸の防衛のための砲台設置場所だったのだ。なんか信じられないなあ。

出久根さんらしい、軽妙な語り口ながら、秘密や謎がいっぱいの時代サスペンスになっている。とくに国太郎とその仲間たちの言動が楽しい。大の男達が下帯一つになって目隠しをされて、手をつないで一列になって歩くシーンなど、情けなさと可笑しさがないまぜになっていい味を出している。

物語●国太郎は、口入れ屋で、川越生まれの百姓の百蔵と知り合い、ともに「御台場御用」の力仕事につくことになった。仕事を決めた二人が蕎麦屋で食事をしていると、悪相の岡っ引・喜六が間に入ってきた。国太郎は、常州・潮来の旅籠の三男坊で、八丁堀同心の家に養子に入ったが、不向きということで離縁になったということだった。ともかく、国太郎と百蔵は一之手(もっとも品川寄り)御台場の普請場で井戸掘りの仕事を手伝うことになった…。

目次■第一部 蛙(人宿/温泉/お守り/地形/竹筒/蜂使い/喧嘩/惣八/頃痢)|第二部 土龍(目薬/穴蔵/切株/米俵/もぬけ/赤虫/船小屋/地震/顔見世/抜け穴/水脈/婚礼)

装幀:南伸坊
時代:嘉永七年一月
場所:堀江六軒町、高輪、御台場、霊岸島川口町、深川門前仲町、小網町二丁目ほか
(講談社・1,700円・00/05/15第1刷・275P)
購入日:00/05/21
読破日:00/07/29

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