千両役者捕物帖


千両役者捕物帖 (時代小説文庫)
千両役者捕物帖
(せんりょうやくしゃとりものちょう)
幡大介
(ばんだいすけ)
[捕物]
★★★★

文庫書き下ろし。

主人公の藤本千代丸は女性と見紛う美貌と天性の演技勘で未来の千両役者と期待される、旅の芝居一座の女形役者。千代丸は八丁堀に渦巻く陰謀に巻き込まれて、北町奉行所同心の桜山家に入り、跡継ぎ・千太郎を演じることに。一座の面々もそろって下っ引きや用心棒を務めることになってしまう。

千代丸は、事件を解決し、千両役者になれるのか?

スラップスティックなドタバタコメディになりそうな設定を、作者は巧みにコミカルな時代小説に仕上げている。千代丸は、桜山家の娘千代に扮したり、跡継ぎ・千太郎を演じたりと一人二役の活躍ぶり。普段はおどおどと自信がなさげな気弱な若者が、舞台に立つと“取り憑かれ型の芝居”を無意識に演じるところが見どころ。

“取り憑かれ型の芝居”というと、「ガラスの仮面」の北島マヤのようなものかな。千代丸の芝居(捕物)を助ける、一座のメンバーもみな個性的に適役を演じていて面白い。

主な登場人物
千代丸:天性の演技力と女性と見紛う美貌をもつ、旅の芝居一座の女形。芸名「藤本千代丸」
藤本勘太郎:一座の座頭
徳次:一座の若手で優男の二枚目役者
一助:老け女形。芸名は「中村一助」
亀:一座では道化役を演じる三枚目役者
センセイ:一座に居着いた凄腕の浪人者
清水坂ノ虎五郎:板橋の宿場を仕切る博徒の元締
桜山幸:北町奉行所同心桜山弥八郎の母
桜山千代:弥八郎の妹
桜山千太郎:桜山家の遠縁の侍で桜山家に跡取りとして養子入りする
亥蔵:桜山家に仕える岡っ引き
おサダ:桜山家の下女
笹倉晴二郎:北町奉行所与力
野毛山金蔵:北町奉行所同心
淵沢利三郎:北町奉行所同心
老沼:北町奉行所の定町廻り同心
鶴吉:辰巳芸者
料理茶屋「雀屋」の女将
宗十郎頭巾の侍
榊原主計頭忠之:北町奉行

物語●藤本勘太郎率いる旅芸人一座の千代丸は、本来は気弱な若者だが、女性と見紛う美貌を持ち、天性の演技勘から、末は千両役者と見込まれる。江戸での興行では、その美しさはたちまちのうちに評判を呼び、江戸の外れの板橋宿まで、市中の観客が大勢押し寄せてくる騒ぎとなった。
そんな折、町奉行所の同心の息子と娘を亡くした桜山家の母堂・幸を慰めるために、娘千代のふりをする羽目に…。

目次■目次なし

装画:柴田ゆう
装幀:五十嵐徹(芦澤泰偉事務所)
時代:文政九年(1826)。北町奉行榊原主計頭忠之が六十一歳のとき
場所:碓氷ノ関所、板橋宿、遍照寺、八丁堀、北町奉行所、木挽町三丁目、ほか
(角川春樹事務所・ハルキ時代小説文庫・629円・2011/10/18第1刷・312P)
入手日:2012/05/07
読破日:2012/05/29

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