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正倉院の秘宝

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正倉院の秘宝

(しょうそういんのひほう)

梓澤要

(あずさわかなめ)
[歴史ミステリ]
★★★★☆☆

『百枚の定家』(新人物往来社)が、超面白かった梓澤さんの長編歴史ミステリー。今回は、正倉院をめぐる聖武天皇と光明皇后の謎、藤原仲麻呂の陰謀が、テーマである。

古都奈良の風景が楽しめるミステリーで、土曜ワイド劇場を想起させられる。ドラマ化されても不思議ではない。さしずめ、ヒロインは片平なぎささんだろうか。

古代史は苦手(どうも人物の名前がなかなか覚えられない)なのだが、この本は抵抗なく読めた。歴史の謎と、現代に起こる事件の行方と、物語は二重に楽しめ、推理小説としても第一級である。

物語●美術月刊誌『古美術薫風』編集部の加納理江子は、南大和の草山寺を十二年ぶりに訪れた。今回の訪問は、担当ページの「大和山寺逍遥」の取材と撮影のためであった。草山寺は、最初の訪問のときに同行した先輩編集者に、“仏像の墓場”と思い入れを込めて紹介された場所であった。そこで、理江子とカメラマンの里見圭吾は、黒鞘の刀を胸に抱いた等身大木造座像の仏像を発見した。厨子に封じ込められた、異形の秘仏に関わったことから、理江子の身の回りに事件が起こった…。

目次■第一章 異形の秘仏/第二章 脅迫/第三章 碧瑠璃の数珠/第四章 黒作懸佩刀/第五章 葛城の男/第六章 第一の殺人/第七章 疑惑/第八章 センセーション/第九章 第二の殺人/第十章 庵主の秘密/第十一章 北風の街/第十二章 祈り/あとがき

装画:藤原ヨウコウ
装幀:原田幸生
時代:現代。天平勝宝八年(756)
場所:南大和、奈良、大手町、神楽坂ほか
(廣済堂出版・1,800円・99/02/15第1刷・377P)
購入日:99/08/15
読破日:99/09/23

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