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妖臣蔵

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妖臣蔵妖臣蔵
(ようしんぐら)
朝松健
(あさまつけん)
[伝奇]
★★★☆☆☆

トンデモナイ作品だ。

「山田風太郎の高峰にせまる伝奇小説の新傑作」というキャッチフレーズと、「田中芳樹氏絶賛!」の帯のコピーに惹かれて一気に読む。700ページを超える、京極夏彦さんのレンガ本を彷彿させる部厚い本だったが…。

忠臣蔵をベースに、四谷怪談と祐天(東急東横線の祐天寺に名前を残す)上人の女人救済などを換骨奪胎したホラー風伝奇小説。

柳沢吉保や隆光に加え、四十七士まで敵役にまわり、面白さを倍加している。新井白石や若き日の大岡越前も登場する。豪華オールスターキャストが楽しい。

解説によると、この作品は、『元禄霊異伝』『元禄百足盗』に続く「祐天上人奇瑞シリーズ」の第三作にあたるということで、何ヵ所か前作のエピソードが散りばめられている。というわけで、ぜひ前作が読みたいのだが、なかなか見つからない。

物語●五代将軍綱吉の御代。権勢の中心にあった側用人柳沢吉保と護持院大僧正隆光が魔界から召喚した魔神巨旦将来より分かれた〈因子〉が、赤穂浪士四十七人に憑依した。以来、血生臭い騒動が…。江戸を守るため、悪霊祓い師・祐天、弟子のあば安、大岡市十郎らが彼らと死闘を演じる。

目次■発端 淫雨降り止まず/第一章 祐天と伊左衛門/第二章 秘戯筝の爪/第三章 夜舟魔界のあば安/第四章 あば安 地獄行/第五章 遺念余執/第六章 妖変 疫病車/第七章 地火明夷/第八章 大審判/第九章 春夏秋念仏百万遍/第十章 妖神祓冬討入/第十一章 利他冥合/解説 二上洋一

カバーイラスト:小島文美
解説:二上洋一(文芸評論家)
時代:元禄十四年
舞台:お浜御殿、伏見、山科、回向院、本所松坂町ほか。
(光文社文庫・1000円・97/11/20第1刷・731P)
購入日:97/11/15
読破日:97/11/25

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