『文蔵 2018.3』の特集は、やる気が湧き出る「ビジネス小説」

『文蔵 2018.3』『文蔵 2018.3』(PHP研究所・PHP文芸文庫)の特集は、不景気も不祥事も吹き飛ばそう! やる気が湧き出る「ビジネス小説」 です。

 本特集では、経済社会の情勢とビジネス小説の変遷を追いつつ、いま読むべき、やる気が湧き出るビジネス・経済小説を紹介する。
(『文蔵 2018.3』P.5 特集 やる気が湧き出る「ビジネス小説」より)


今回の特集は、『検察側の罪人』などで知られ、3月にビジネス小説を発表される雫井脩介さんへのインタビューのほか、書評家の大矢博子さんが、「いつの時代にも、働く人の心に火をつけ、励みとなる」、ビジネス小説をガイドします。

佐藤雅美さんの『調所笑左衛門 薩摩藩経済官僚』(品切れ中だが、「西郷どん」を機に復刊してほしいです)など、歴史小説や評伝小説も取り上げています。

追悼企画「葉室麟の世界」も気になります。
作家の澤田瞳子さんが追悼文を寄せ、文芸評論家の細谷正充さんが主要作品を紹介して、その光跡を振り返ります。

『文蔵』誌では、不平等条約改正のために命を懸けた陸奥宗光を主人公にした「暁天の星」を連載中で、未完のままとなりました。
これまで平安から江戸までを作品に描いてきた葉室さんが、満を持して近代明治に取り組んだ作品だっただけに、その早すぎる死が残念でなりません。

■Amazon.co.jp
『文蔵 2018.3』(PHP文芸文庫)
『調所笑左衛門 薩摩藩経済官僚』(佐藤雅美・学陽人物文庫)


⇒『文蔵』ホームページ

『文蔵 2018.1・2』のブックガイドは、ミステリの基礎知識

『文蔵 2018.1・2』『文蔵 2018.1・2』(PHP研究所・PHP文芸文庫)のブックガイドは、密室、アリバイ、倒叙、日常の謎……古典と新作で学ぶミステリの基礎知識 です。

 ミステリの代表的なジャンルを取り上げ、古典的名作と現代の作品を対比し、ジャンルの発展、変遷が概観できるようにしてみた。古典的名作は海外で第二次大戦前が中心、新作は日本の戦後の作品を取り上げた。そのため日本のミステリが、海外の強い影響を受けていることもよく分かるだろう。
(『文蔵 2018.1・2』P.4 ブックガイド 古典と新作で学ぶミステリの基礎知識より)


今回の特集は、密室ミステリ、アリバイ崩し、倒叙ミステリ、日常の謎、警察小説といった切り口から、文芸評論家の末國善己さんが、古典的名作と日本の傑作ミステリを対比して紹介します。

『火定(かじょう)』発刊記念で行われた、澤田瞳子さんの著者インタビューが掲載されています。ちょうど作品を堪能したばかりだったので、執筆の裏側に触れることができて楽しめました。
澤田瞳子全作品ガイドも付いて、パブリシティ記事に留まらず、気が利いています。

第23回中山義秀賞が、梓澤要(あずさわかなめ)さんの『荒仏師 運慶』に決定したという、ニュースも掲載されていました。

梶よう子さんの「由蔵覚え書」の新連載第二回、山本一力さんの「献残屋佐吉御用帖」、宮本昌孝さんの「天離り果つる国」の連載も楽しめます。

■Amazon.co.jp
『文蔵 2018.1・2』(PHP文芸文庫)
『火定』(澤田瞳子・PHP研究所)
『荒仏師 運慶』(梓澤要・新潮社)


⇒『文蔵』ホームページ

『文蔵 2017.12』の特集は、いま、面白いエッセイが読みたい!

『文蔵 2017.12』『文蔵 2017.12』(PHP研究所・PHP文芸文庫)の特集は、笑える、泣ける、考えさせられる……いま、面白いエッセイが読みたい! です。

 エッセイと一口に言っても、のほほんとお気楽に読めるものから、襟を正してありがたく読みたくなるものまで、幅広く奥が深い。小説と違い、書き手の生活や素顔が垣間見えるのも、また楽しい。練りに練った端正な文章を書く作家が、思いがけない弾けっぷりを披露するのもエッセイの魅力だ。
(『文蔵 2017.12』P.5 特集 時に小説より面白い!? 必読エッセイ10選より)


今回の特集は、妄想エッセイ、辛口エッセイ、泣けるエッセイなど、ライターの青木逸美さんが、10のおすすめエッセイを紹介します。

時代小説作家髙田郁さんの『晴れときどき涙雨 髙田郁のできるまで』を取り上げてくれているのがうれしいです。

新連載で、梶よう子さんの「由蔵覚え帳」がスタートしました。
江戸市中の事件や噂、落書などの記録に精を出して、それらの情報を必要とする者に提供する情報屋で、「御記録本屋」と異名を取った、藤岡屋由蔵を主人公にした時代小説です。
高橋克彦さんの『完四郎広目手控』の主要登場人物で、江戸の有名人です。どんな活躍ぶりが読めるのか、楽しみです。

■Amazon.co.jp
『文蔵 2017.12』(PHP文芸文庫)
『晴れときどき涙雨 髙田郁のできるまで』(髙田郁・幻冬舎文庫)
『完四郎広目手控』(高橋克彦・集英社文庫)


⇒『文蔵』ホームページ

『文蔵 2017.11』のブックガイドは、ありがたい「神様小説」のご利益

『文蔵 2017.11』『文蔵 2017.11』(PHP研究所・PHP文芸文庫)のブックガイドは、福の神、縁結びの神から貧乏神、死神までありがたい「神様小説」のご利益 です。

 神といえば、万物を創造した全知全能の存在と捉える向きもあれば、福の神や縁結びの神といった縁起の良い存在として謳われることもある。はたまた、死神や疫病神など、忌み嫌われる存在を示唆することだってある。
 そうした神々は、時にはエンターテインメントのモチーフとして物語を彩り、時にストーリー上の重要な役割を務めるなどして、大きな存在感を発揮してきた。
(『文蔵 2017.11』P.5 ブックガイド ありがたい「神様小説」のご利益より)


今回のブックガイドは、何らかのかたちで神の存在を用い、読み手の心に訴えかける作品にスポットを当て、ライターの友清哲さんが、おすすめ本を紹介されています。

ここで紹介されている作品が現代小説ばかりなので、当サイトおすすめの時代小説の「神様小説」を紹介しましょう。

浅田次郎さんの『憑神』。
貧乏御家人に貧乏神が憑いてしまったから、さあ大変。とことん運に見放されながら、懸命に生きる男の姿に抱腹絶倒し、やがて感動の涙がこぼれます。

西本雄治さんの『やっとうの神と新米剣客』。
17歳の剣客・瀬川俊一郎は、剣術を司る「やっとうの神」を名乗る少女・鈴に気に入られて一緒に暮らすことなります。やがて二人は、将軍暗殺を企む戦神・威風に立ち向かうことになります。
第1回・招き猫文庫時代小説新人賞・大賞受賞作品。

「話題の著者に聞く」のコーナーには、伊東潤さんが登場します。
村田新八を主人公に西南戦争を描いた『武士の碑』をはじめ、『走狗』、『西郷の首』と、明治ものを意欲的に発表している著者へのインタビューです。

■Amazon.co.jp
『文蔵 2017.11』(PHP文芸文庫)
『憑神』(浅田次郎・新潮文庫)
『やっとうの神と新米剣客』(西本雄治・招き猫文庫)
『武士の碑』(伊東潤・PHP文芸文庫)
『走狗』(伊東潤・中央公論新社)
『西郷の首』(KADOKAWA)

⇒『文蔵』ホームページ

『文蔵 2017.10』のブックガイドは、「クライシス小説」

『文蔵 2017.10』『文蔵 2017.10』(PHP研究所・PHP文芸文庫)のブックガイドは、未曾有の大災害、バンデミック、経済危機…… 「クライシス小説」に刮目せよ です。

地震、豪雨、火山の噴火など自然災害が多い日本。加えて、細菌やウィルスに感染したり、ヒアリなどの外来危険生物が入り込んだり。東アジアの緊張もあって、戦争やテロも無縁ではなくなっています。
目の前にある危機に向き合うために、さまざまなクライシスを題材にした名作で、その本質を理解するのも役に立つかもしれません。
文芸評論家の末國善己さんが、「クライシス小説」の名作13作をガイドします。

時代小説ファン向けには、嶋津義忠さんの『起返の記 宝永富士山大噴火』と出久根達郎さんの『大江戸ぐらり』を紹介しています。

前者は宝永四年(1707)の富士山噴火の惨状とその後の復興から立ち上がった人々の苦闘を描いています。後者は安政二年に起きた安政江戸地震で、未曾有の災害に戸惑いながらも、復興に向かう江戸の人たちを描いた人情味あふれる作品です。

■Amazon.co.jp
『文蔵 2017.10』(PHP文芸文庫)
『起返の記 宝永富士山大噴火』(嶋津義忠・PHP研究所)
『大江戸ぐらり』(出久根達郎・実業之日本社文庫)

⇒『文蔵』ホームページ