『文蔵 2017.10』のブックガイドは、「クライシス小説」

『文蔵 2017.10』『文蔵 2017.10』(PHP研究所・PHP文芸文庫)のブックガイドは、未曾有の大災害、バンデミック、経済危機…… 「クライシス小説」に刮目せよ です。

地震、豪雨、火山の噴火など自然災害が多い日本。加えて、細菌やウィルスに感染したり、ヒアリなどの外来危険生物が入り込んだり。東アジアの緊張もあって、戦争やテロも無縁ではなくなっています。
目の前にある危機に向き合うために、さまざまなクライシスを題材にした名作で、その本質を理解するのも役に立つかもしれません。
文芸評論家の末國善己さんが、「クライシス小説」の名作13作をガイドします。

時代小説ファン向けには、嶋津義忠さんの『起返の記 宝永富士山大噴火』と出久根達郎さんの『大江戸ぐらり』を紹介しています。

前者は宝永四年(1707)の富士山噴火の惨状とその後の復興から立ち上がった人々の苦闘を描いています。後者は安政二年に起きた安政江戸地震で、未曾有の災害に戸惑いながらも、復興に向かう江戸の人たちを描いた人情味あふれる作品です。

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『文蔵 2017.10』(PHP文芸文庫)
『起返の記 宝永富士山大噴火』(嶋津義忠・PHP研究所)
『大江戸ぐらり』(出久根達郎・実業之日本社文庫)

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『文蔵 2017.9』の特集は、真夜中にどっぷり浸りたい小説

『文蔵 2017.9』『文蔵 2017.9』(PHP研究所・PHP文芸文庫)の特集は、幻想的作品からホラー、感涙作まで 真夜中にどっぷり浸りたい小説 です。

もうすぐ秋。
夜長に、独り読書に耽りたいという人も少なくないのでは?

今月号の特集では、つい夜更かししてしまうような魅惑的なおすすめ小説9編を、ライターで書評家の石井千湖さんが紹介します。
作家の森見登美彦さんと澤村伊智さんへのインタビューも収録しています。

時代小説ファンとしては、強力な連載が楽しみです。

葉室麟さんの「暁天の星」
あさのあつこさんの「おいち不思議がたり 飛翔篇」
山本一力さんの「献残屋佐吉御用帖 亀久橋のくま」
宮本昌孝さんの「天離り果つる国」

信長の時代を舞台にした、「天離り果つる国」に、白川郷帰雲城の城主として、内ケ嶋氏理(うちがしまうじただ)が登場します。
この内ケ嶋氏は、領地の鉱山経営で力をつけていきます。しかし、天正十三年(1585年)11月に、白川郷一帯を襲った大地震(天正地震)によって、内ヶ嶋一族含め領民は生き埋めにあって、死に絶えて滅亡します。

時代小説でこれまであまり描かれることがなかった、内ケ嶋氏の悲劇が、今後描かれていくのか気になります。
なお、内ケ嶋氏は金山を発見したともいわれ、大地震で一族滅亡したことから、埋蔵金伝説も残っています。


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『文蔵 2017.9』(PHP文芸文庫)

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『文蔵 2017.8』のブックガイドは、「医療小説」の最先端

『文蔵 2017.8』『文蔵 2017.8』(PHP研究所・PHP文芸文庫)のブックガイドは、サスペンスからヒューマンドラマ、時代小説まで 「医療小説」の最先端 です。

サスペンスからヒューマンドラマ、社会派小説まで、多岐にわたるジャンルで、今や一大潮流となった医療小説のおすすめ作品を紹介します。書評家の大矢博子さんが、その人気の秘密に迫ります。

歴史・時代小説のジャンルについては、『ふぉん・しいほるとの娘』(吉村昭著)、『赤ひげ診療譚』(山本周五郎著)など名作から、和田はつ子さんの「口中医桂助事件帖」や上田秀人さんの「表御番医師診療禄」など人気の文庫書き下ろしシリーズまで、広い視野から面白い作品を挙げられています。

葉室麟さんの「暁天の星」をはじめ、あさのあつこさん、山本一力さん、宮本昌孝さんらの連載小説も楽しみです。

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『文蔵 2017.8』(PHP文芸文庫)

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『文蔵 2017.7』の特集は、「青春小説」の新潮流

『文蔵 2017.7』『文蔵 2017.7』(PHP研究所・PHP文芸文庫)の特集は、友情、恋愛、部活、謎解き…… 「青春小説」の新潮流 です。

特集では、『ヒトリコ』、『屋上のウインドノーツ』の作者・額賀澪(ぬかがみお)さんへのインタビューを収録。ライターの友清哲さんが、「今」という時代を切り取った青春小説9編を紹介します。

時代小説ファンとして注目したいのは、葉室麟さんの『暁天の星』の新連載です。
明治時代に、伊藤博文のもとで、不平等条約の改正に尽力した陸奥宗光を主人公にした時代小説。

幕末から明治にイギリスの外交官として活躍した、アーネスト・サトウが日記に

――陸奥の二度目の夫人、若くてたいへんな美人、すずしい眼とすばらしい眉。

と書き、「鹿鳴館の華」と呼ばれた、宗光の後妻・陸奥亮子も登場します。

陸奥宗光夫人・亮子と鹿鳴館を取り上げた時代小説に、山田風太郎さんの『エドの舞踏会』があります。

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『文蔵 2017.7』(PHP文芸文庫)
『エドの舞踏会―山田風太郎明治小説全集(8)』(山田風太郎・ちくま文庫)

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『文蔵 2017.5』のブックガイドは、小説で感じる「乗り物の魅力」

『文蔵 2017.5』『文蔵 2017.5』(PHP研究所・PHP文芸文庫)のブックガイドは、電車、バスから船、人力車まで 小説で感じる「乗り物の魅力」 です。

書評家の大矢博子さんが、鉄道、車、船・飛行機、その他と、乗り物別におすすめの乗り物小説をガイドします。その守備範囲はミステリから歴史、社会、人間模様、SFまで、実に多岐にわたっています。

時代小説ファンとしてうれしいのは、江戸や明治の乗り物である、駕籠や馬車まで取り上げていること。山本一力さんの『深川駕籠』や山田風太郎さんの『幻燈辻馬車』を紹介しています。

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『文蔵 2017.5』(PHP文芸文庫)
『深川駕籠』(祥伝社文庫)
『幻燈辻馬車』(角川文庫)

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