読み物
来年の大河ドラマに備える『江と徳川三代』
歴史家の安藤優一郎さんが『江と徳川三代』という新刊をアスキー新書から出された。タイトルからわかるように、来年2011年のNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国」の主人公、お江の生涯にスポットを当てた歴史読み物。
江は、浅井長政の三女で、信長が伯父で、秀頼(その父は秀吉)は甥、家康は義父という、華麗なる一族で、歴史のメインストリームに身を置いている割には印象が薄い。どうしても美貌で派手な姉の淀殿(茶々)の陰に隠れてしまい、夫秀忠に対する恐妻ぶりのイメージが先行する。
さて、どんなことが書かれているかは、目次を見ていくと伝わると思う。
第一章 二度の落城と父母との別れ~信長・秀吉との戦い~
第二章 二度の結婚と夫との別れ~離別、そして死別~
第三章 三度目の結婚と年下の夫~徳川家に嫁ぐ~
第四章 将軍の御台所に~三姉妹の戦い~
第五章 江戸城を築く~将軍の家庭~
第六章 将軍の母に~江戸三百年のはじまり~
終章 江の面影を追って
江は、徳川秀忠の正室になる前に、信長・秀吉との戦いに巻き込まれ、二度の落城、二度の結婚と別れなどを経験する。また、徳川家に嫁いでからは、三代将軍家光の生母として、大奥の体制を整え、徳川幕府の礎を奥から支える。
この本を読んでいくと、江の生涯と歴史の上で果たした役割がわかる。歴史的な事実をたどっていっても、篤姫以上にドラマチックな存在であることがわかり、来年の大河ドラマが楽しみになる。
江と徳川三代
時代小説ヒーローの金銭感覚と懐事情
歴史家・安藤優一郎さんの『鬼平の給与明細』を読みました。鬼平について触れられているのは第1章のみですが、鬼平を導入にしたことでとっつきやすく、武士の金銭感覚、懐事情を明らかにしていく試みで一気に読めました。
この本の読書録は、「ほぼ日刊時代小説」に移しました。
http://d.hatena.ne.jp/jidai-show/20100420
鬼平の給与明細 (ベスト新書 276)
武士の金銭事情を解き明かす歴史読み物
歴史家の安藤優一郎さんが、KKベストセラーズのベスト新書から『鬼平の給与明細』を発行されました。
鬼平こと長谷川平蔵がタイトル名に入り、時代劇・時代小説のファンには食指の動く本です。
第一章では、鬼平の素顔を金銭事情から紹介しています。第二章、第三章では、江戸の武家社会や御家人の生活を金銭面から見ていきます。第四章では、大岡越前や勝小吉(海舟の父)から旗本の家計事情を取り上げています。さらに第五章では、幕末から明治にかけて武士の消滅していく過程を給与(家禄)から解き明かしていきます。
「武士は食わねど高楊枝」の言葉から、武士社会では金を軽視する風潮があるように思われていますが、実際はどうだったのでしょうか。興味深いテーマなので、楽しみながら読んでみたいと思います。
安藤さんは、ここ数年、精力的に江戸時代を取り上げた歴史新書本を多数執筆されています。いずれの本も現代人の視点で、ビジネス書っぽい切り口を取り入れて、わかりやすく書かれています。
『江戸・東京の歴史と地理』の超雑学
歴史家の安藤優一郎さんが、『超雑学 読んだら話したくなる 江戸・東京の歴史と地理』を日本実業出版社から刊行されました。
本書は、江戸の歴史と地理についての超入門書です。江戸の土地の特徴、明治以降の東京の歴史、江戸・東京のインフラ・建物の変遷、現在の東京の知恵名のルーツなど、「へぇ~」と膝を叩き、薀蓄(雑学)として話したくなるような話がたくさん載っています。
しかも、巻末には、取り上げた各スポットをたどり、江戸の名残りが楽しめる「街歩きガイド」が付いています。
大名行列の全部がわかる『大名行列の秘密』
歴史家の安藤優一郎さんの『大名行列の秘密』を読みました。成り立ちから末路まで大名行列の全部がわかる一冊。
大名行列と聞くと、「下に~、下に~」という掛け声や奴による毛槍のパフォーマンス、街道を旅人が土下座をして見送るイメージがあります。
でも実際は、正装してのパフォーマンスは江戸を出るときと、お国入りのときだけだったり、大名行列に遭遇したら土下座をしなければならないのは、御三家など徳川家に対してだけだったり、大名行列は江戸と国許の間の参勤交代より、江戸城登城の際の行列のほうが回数が多く一般的だったりと、「へぇ~」と感心する指摘があります。
将軍家の権威の象徴でもあった大名行列。幕末に向けて参勤交代が大幅に緩和され、将軍が京に上り、参勤交代や江戸城登城は行われなくなります。それは、江戸および街道の経済に打撃を与え、庶民の生活に悪い影響を与えます。幕末に将軍家が急激に求心力を失っていったことにつながっているように思えます。
大名行列がもたらす経済効果から、徳川幕府の隆盛と衰退をみていくのも面白いと思いました。ビジネスの観点からの考察があり、とっつきやすい、江戸のことがよくわかる本です。
■ 目次
はじめに
第一章 街道をゆく「動く城」
(1)殿様方の難行苦行
(2)人数も衣装も臨機応変
(3)漬物石からペットまで
第二章 十二泊十三日の長道中
(1)殿様のお立ち
(2)道中での泣き笑い
(3)大名たちの意地の張り合い
(4)ゴール前の舞台裏
第三章 花のお江戸は行列だらけ
(1)江戸城前は大騒ぎ
(2)将軍のお供でまた行列
(3)格付けされた殿様たち
第四章 行列ビジネスの裏表
(1)殿様通ればお金が落ちる
(2)藩財政は破綻寸前
(3)庶民からみた大名行列
第五章 幻となった大名行列
(1)参勤交代の形骸化
(2)江戸から大名が消えていく
(3)大名行列の末路
おわりに
参考文献
●データ
第1刷:2010年3月10日発行
700円+税
205ページ


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