2023年時代小説SHOWベスト10、発表!

時代小説・おすすめ文庫ベスト10(2011年版)

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EDO NOVELS 10号記念特集小冊子朝日新聞の広告企画「EDO NOVELS(江戸ノベルズ)」10号記念特集小冊子(小冊子は書店でのフェア開催中に売り場で無料配布)に、読者代表として、おすすめ時代小説本を3冊を紹介している。

おすすめ時代小説はたくさんあり過ぎてとても3冊に絞りきれなかったので、2011年(2010年12月~2011年11月)に文庫で刊行された時代小説の中から3冊選び掲載いただいた。とはいえ、おすすめ本を選ぶ作業は楽しいが、3作品だけというのは苦しすぎて、10作品を選んでみた。
●時代小説・おすすめ文庫ベスト10

1位
『みのたけの春』
『みのたけの春』
志水辰夫著
(集英社・集英社文庫)
♪幕末の北但馬の寂れつつある農村を舞台にした時代小説。郷士の榊原清吉は、病気の母と借財を抱えながらも、つましく暮らしていた。京・大坂から二日、三日の場所にあるこの地にも、激動の時代の波はやってくる。友人が故郷を離れていくなかで、清吉は郷里を動かず、男子の本懐を遂げんとする。感動の幕末青春時代小説。
2位
『おまえさん』上
『おまえさん』上・下
宮部みゆき著
(講談社・講談社文庫)
♪『ぼんくら』『日暮らし』と続くシリーズ第3弾だが、この作品のみでも十分に満喫できる。主要な登場人物と美男美女の対比が絶妙。重層的な物語で中身が濃く、宮部みゆきさんの時代小説でも『弧宿の人』と並ぶ傑作。
3位
『天空の鷹 風の市兵衛』
『天空の鷹 風の市兵衛』
辻堂魁著
(祥伝社・祥伝社文庫)
♪第一作目は昨年だが、私がはまったのは今年になってからということもあり、今年の一押しにしているシリーズ。算盤侍で剣の遣い手、渡り用人(経営コンサルタントのようなもの)という設定が興趣を盛り上げている。
4位
『いのちなりけり』
『いのちなりけり』
葉室麟著
(文藝春秋・文春文庫)
♪物語は、蔵人が愛する咲弥のために、一首の歌をめぐる純愛の物語である。その裏側で、鍋島家と龍造寺家の抗争から幕府や朝廷の対立まで、話が大きく展開していく。チャンバラアクションばかりでなく、江戸の学術(和歌や史学、儒学など)を巧みに取り入れて奥行きがあって読み応えある傑作小説。
5位
『取次屋栄三』
『取次屋栄三』
岡本さとる著
(祥伝社・祥伝社文庫)
♪この1年間でシリーズ4タイトルがリリースされ、別の版元(角川春樹事務所・ハルキ時代小説文庫)から、『剣客太平記』シリーズが2タイトル発行されている。武家と商人(町人)の間でトラブルを調停する取次屋稼業を生業にする栄三郎が活躍する人気シリーズ。スカッとするチャンバラと、華があり、人情味がある解決ぶりが魅力。古き良き時代劇のDNAをもった作品。
6位
『心星ひとつ みをつくし料理帖』
『心星ひとつ みをつくし料理帖』
高田郁著
(角川春樹事務所・ハルキ文庫)
♪大人気のシリーズの転換点となる作品。愛する人たちの間で板ばさみになる料理人・澪。澪の作り出す料理がどれもおいしそうで、本書を読む楽しみの一つ。
7位
『緋色からくり 女錠前師 謎とき帖(一)』
『緋色からくり 女錠前師 謎とき帖(一)』
田牧大和著
(新潮社・新潮文庫)
♪美貌の天才錠前師・お緋名が、姉と慕った髪結いのお志麻の死の謎を追う捕物小説。お緋名と一緒に暮らす猫の大福が何ともかわいい。
8位
『恋細工』
『恋細工』
西條奈加著
(新潮社・新潮文庫)
♪百年続く錺職「椋屋」の娘・お凜をヒロインに、江戸職人の世界の技と粋、人情を描いた時代小説。奢侈を禁ずる水野忠邦の天保の改革下を舞台にしていて、スリリングで緊張感みなぎる作品に仕上がっている。
9位
『軍鶏侍』
『軍鶏侍』
野口卓著
(祥伝社・祥伝社文庫)
♪南国の園瀬藩(架空)を舞台に、藩内の政争に巻き込まれる隠居侍を主人公とした時代小説。藤沢周平さんの「海坂藩」ものを想起させてくれて、大いに楽しめる。
10位
『大江戸 女花火師伝』
『大江戸 女花火師伝』
矢的竜著
(中央公論新社・中公文庫)
♪不幸のどん底から立ち直り、さまざまな苦難を乗り越えて、老舗の花火屋ののれんを守る佐絵を描きながら、あわせて佐絵の生きた時代(寛政の改革)をドラマチックに描いている。

*『取次屋栄三』については、ブックガイドがありません。ゴメンナサイ。
(2012/02/05 理流)