鬼神の如く戦う、平将門を描く歴史エンタメ小説

将門 東国の覇王矢野隆(やのたかし)さんのアクション時代小説、『将門(まさかど) 東国の覇王』がPHP文芸文庫より刊行されました。

10世紀半ば、平将門や、将門の従兄・平貞盛が住む坂東では、都から派遣されてくる国司に対し、その地を実効支配する領主たちが力を持ち始めていた。
そんな中争いが起こり、将門は、前常陸大掾(さきのひたちのだいじょう)・源護(みなもとのまもる)の息子たちの攻撃を受けて、彼らを殺し、護と組んでいた貞盛の父・国香を自刃に追い込んでしまう。
都で官吏として生きていた貞盛が急ぎ坂東に戻ると、坂東は騒乱の地と化していた。手を携え、夢の実現に向けて歩もうとしていた将門と貞盛を待ち受けていた運命とは……。


一族の長で祖父、平高望(たいらのたかもち)より、「帝をも超える真の王となる」と予言された平将門。一方、その友である平貞盛は、「一族繁栄の礎になる」と言われます。
対照的な二人を軸に、坂東の地に平安をもたらし、都を目指すため、敢然と立ち上がる将門の戦う姿を切々と描いていきます。

 男の手勢は四百ほど。
 十倍の数の敵。
 どれほどの数を相手にしようと、どれほどの強者が己の命を狙おうと、男には絶対の自信があった。
 なぜなら。
 男は最強の士(もののふ)であった。
(『将門 東国の覇王』P.8より)


次々に立ちはだかる敵に戦いを挑んでいく最強の武士として力強さやスーパーヒーローぶりばかりでなく、出世を夢見て都に上り公家に仕えたり、やがて都に失望して坂東に帰ったりという等身大の若者像、そして、恋や友情が描かれていて、共感を覚えます。

関東に住んでいて神田明神にお参りすることも少なくないにもかかわらず、将門の生涯についてはぼんやりとしかわかっていませんした。もっと、将門について学んでもいいかなと思います。

本書は、現代人の感覚で読める歴史エンターテインメントです。将門の熱き戦いがダイナミックに描かれていて、一気に読めます。

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『将門 東国の覇王』