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西郷・大久保の後継者と目された村田新八を主人公に西南戦争を描く長編小説

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武士の碑伊東潤さんの『武士の碑(いしぶみ)』がPHP研究所より刊行されました。薩摩武士、村田新八を主人公に西南戦争を真正面から描いた長編小説です。

岩倉使節団の一員として渡欧していた村田新八は、西郷隆盛が下野したとの報に接して、フランスから帰国。大久保利通と西郷の喧嘩を仲裁するために、故郷の鹿児島へ向かう。だが、大久保の挑発に桐野利秋らが暴発して挙兵、新八も否応なく巻き込まれていく……。

伊東さんは、『文蔵 2015.7』のインタビューで、村田新八を『武士の碑』の主人公に選んだ理由を以下のように語っています。

 西郷と大久保利通の後継者と目されている村田新八は、平衡感覚に優れた人物だと思うんです。カリスマである西郷を前にしたときに、桐野利秋たちは心酔して、西郷が“絶対”になってしまう。そうした人たちの視点からでは西郷は描けない。村田新八は、西郷と大久保の間を取り持っていました。実際、彼が欧米に行って日本を留守にしている間に、西郷と大久保は決裂するわけです。つまり二人の緩衝材が村田だったのです。そういう人間から見た西南戦争とは何だったのか、彼がなぜ参加したのかという点に、たいへん興味がありました。

その村田新八を通して描かれた、我が国最後の内戦・西南戦争を読んでみたいと思いました。本書は、伊東さんが初めて挑んだ近代史を題材にした時代小説でもあります。

■Amazon.co.jp
『武士の碑(いしぶみ)』(PHP研究所)
『文蔵 2015.7』(PHP文芸文庫)

→PHP研究所|武士の碑